2011年
12月
05日
月
引き続き伊藤武さんの本「ヴェールを脱いだインド武術」の中から気になったところを紹介してみようと思う。
去年のシャドウヨガのワークショップで私が呼吸のことで質問し先生の説明を聞いて自分では理解したつもりだったけどはっきり言って分かったつもりだけじゃないのか?とも思える。
しかし伊藤武さんのこの文章を読んで呼吸に関して少し理解が深まったと感じた。
以下引用してみます。
「ダルヌヴェーダ本集」では、武術の要諦を次のように説いています。
弓術を成就するには、花を扱うごとく(優しく注意深く)弓束を持ち、
竜蛇(サルパ)を殺すごとく弓弦(ゆづる)を引きしぼる。
そして金を稼ぐごとく、的の一点を注視(集中)すべし。
すでに述べたように、ダヌルヴェーダが語るのは、ひとり弓術のみならず、武術全般に共通する原則です。
「花を扱うごとく弓束を持つ」とは、武器をとる手も素手の拳も、やわらかく握るということ。
かたく握ると、筋肉に、精妙な動きをさまたげるリキミが生じてしまう。
「竜蛇を殺すごとく弓弦を引きしぼる」とは、コブラにたとえられるクンダリーニ(下腹に生じたシャクティ)を制御し、力を蓄えるということ。
「金を稼ぐ」。それには、熱心に仕事をしなければならない。仕事を集中しておこなうことを、インド人もわれわれ同様に「息を詰めておこなう」という表現をする。
息を詰めることによって、じっさい心も定まる。つまりこれは呼吸法の謂いとなります。
呼吸をコントロールして「的の一点を注視する。」。意識を集中する。
ダヌルェーダを承けた「虎の巻」では、シンプルに、
視るべし。汝、一点を観るべし(集中すべし)!
とだけ書いて、以上のようなニュアンスをふくませています。
一点集中とは、たんに外部の対象を凝視するというだけではありません。
それは、外と内の両方になされる行為です。
裡なるシャクティを観じ、それを完全なものとして立ち上げる。
弓を引いて的に集中した瞬間、的になった者は既に吸収されて死んでいると先生が仰ったことが印象に残っている。
ちょっと怖い気もしたけれど集中とはそういうことなのかなぁと感心した。
武術とヨガはやはり切り離せない関係と実感する。
ヨガの場合はひたすら自己に意識が向けられる。
誰かと闘う訳ではないけれど鍛錬するという意味では共通と思う。
鍛錬して初めて見えてくることが数多くあるに違いないから。
益々伊藤武さんという人物に会ってみたいと思う。
2011年
12月
04日
日
伊藤武さんの「ヴェールを脱いだインド武術」を読み返している。
一度読んでいても今読み返すとなるほどなぁ~と思える箇所がいろいろ出てくる。
ナタナガ・ザンダー先生のお話した事と一致する部分が多い。
シャドウヨガをやっていて共感出来ることも多い。
知識としてだけでなく自分の体験を通して理解できることが嬉しい。
日本にこんなにもインドの武術に精通した方がいらっしゃることがとても有り難い。
この秋東京で伊藤武さん、浅見千鶴子さん、ニディーシュ・カリンビルさんコラボのワークショップが開かれたが出れなかったのが悔やまれる。
カラリとヨガの関わりについてのものだったので今私には一番気になっているテーマだ。
さて伊藤武さんの本の内容を紹介してみようと思う。
オットパヤットーカラリの太極拳という項目の中にこのような記載がある。
太極拳の「馬歩」
空手の「騎馬立ち」
日本古武術の「沈なる身の位」
インド弓術の足構え「サマパーダ」
ハタ・ヨーガの体位「ウトカティカー」
これらはほとんど同一の姿勢をしめすことばです。
すなわち足を開き、体重を両足に等分(サマパーダ)にかけて身を沈め、ちょうど馬に乗っているような格好をする、という。
そして太極拳で馬歩が貴重とされる理由は、深く呼吸に集中しながら、長くこの姿勢を保持すると、下腹にいわゆる<気>が生じるということ。
腰と下肢の緊張が呼吸の不可思議な作用と混じりあって、サンスクリットでいう「途方もない力 ウトカティカー」と化すのです。
今回のシャドウのワークショップで先生は武術の修行をするなら1時間この姿勢で立てないと駄目と仰った。
なるほど途方もない力を生み出す為にはそれくらいの時間が必要なのかも。
実際やってみると1分でも足が震えだしたりへっぴり腰になったりする。
武術の修行まではいかなくてもこの立ち方をマスターすることはヨガをやる者、いえ一般の方にもいろいろな恩恵がありそうだ。
2011年
6月
28日
火
シャドウスタイルのヨガは足を働かせるものが多い。
一般的なヨガのポーズ以前に現代人のひ弱になってしまった足に喝を入れるようなものが多い。
シャドウスタイルのヨガがきつく感じてしまうのは足の弱さに起因している。
そして足が弱いと決まってお腹も弱い。
そのあたりをやらないでヨガのポーズに入っていっても外見だけを整えるものになってしまう。
ベルトや他の道具を使って長時間留まるものをやっても体にはあまり変化は起きない。
例えば股関節を開くようなものを寝た状態でやったとしてその最中は多少ストレッチ感があるけれど根本的には変わっていかないように思う。
足が働いている状態でやると確かにきついけれど体は変化していくように思う。
足と同時にお腹も働きエネルギーが回っていくように感じる。
シャドウスタイルのヨガをやって初めてそのことに気付く。
そういうことを積み重ねていくうちに腰痛が消えたり体が元気になっていくのを実感することが出来る。
地味できついヨガ、、、そのことをやり続けるには根気が要る。
でも回り道もしないし間違いも起きない。
楽しくないか?といえばそんなことも無い。
自分の変化を注意深く観察することができれば地味に楽しいのだ。
だから良さを理解した人は止めずにずっと続けることが出来る。
私も多分ずっと続けることになるだろう。
※小幡ゆみこ先生がセルビアでのワークショップに参加してブログ記事
を書いています。
その中でも足がテーマになっています!